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第129回 日商簿記検定試験

『講評・模範解答(予想配点箇所を含む)・解説』

1級】 【2級】 【3級

「本講評・模範解答(予想配点箇所を含む)・解説は、東京CPA会計学院・CPAビジネスゼミナールの講師陣並びにスタッフが作成したものであり、模範解答並びに予測配点箇所について、日本商工会議所における実際の解答並びに配点箇所との整合性を当校は何ら保証致しかねます。」

Adobe Reader のダウンロード※解答・解説は、PDFファイルとなっております。こちらのWEBサイトより Adobe Reader のダウンロードをお願い致します。


 

1級

 商業簿記
日商簿記検定1級講座 商業簿記 講 師 齊藤 正岳


解答〕 〔解説

【講評】
受験生のみなさんお疲れ様でした。
商業簿記は、決算整理後残高試算表を作成するオーソドックスな形式の総合問題でした。決算整理事項には、今回初めて出題された内容もありましたが、問題量は比較的少なかったので、じっくりと時間を掛けて解答することができたと思います。

■出題の特徴
具体的な内容としては、売価還元法から販売促進のための自社商品の使用、社債の抽選償還(利息法)など、容易に解答を導き出すことが難しい項目がありました。
 大切な事は、決算整理事項を見たとき、判断に迷う項目や時間の掛かる項目は後に回し、自分なりの優先順位を素早く付けることです。

■アドバイス
商業簿記は、計算方法を正確に抑える(インプットする)ことと、それをいかに速くアウトプットできるかが重視されるので、どうしても理由や根拠を後回しにしてしまうことが多くなります。
 しかし、最終的には説明する力があるかどうかが、仕事で活かせるかどうかに繋がります。考え方を理解した上で、計算問題を何度も練習していただくと、商業簿記の勉強がより一層楽しく、そして役立つものになると思います。


 会計学
日商簿記検定1級講座 会計学 講 師 山内 樹


解答〕 〔解説

【講評】
 検定試験お疲れさまでした。
 今回の難易度は、近年に新設された会計基準からの出題もありましたが、平均的なレベルでした。そのためケアレスミスをしなければ、十分合格点をとれる問題だったと思います。

■出題の特徴
〔第1問〕理論問題
 外貨建取引等会計処理基準からの出題でした。この問題に関しては、基本的な事項を聞かれているので完答が望ましいです。

〔第2問〕会計上の見積りの変更と会計方針の変更
 この問題が近年に新設された会計基準からの出題でした。何から何に変更したのかを問題文からしっかり読み取り、解答用紙に求められている金額を正確に答える必要があります。ここでのケアレスミスは避けたいところです。

〔第3問〕理論問題
 この問題は、繰延税金資産の資産性について問う問題でした。税効果会計に係る会計基準の設定に関する意見書を読んでおけば解答できたと思います。

■アドバイス
 過去の出題内容に限定せず、既存の会計基準の基準及びその背景と改正又は新設されていく会計基準の両方を学習することが必要だと思います。
 日商簿記検定1級は年2回の開催であり、試験時間は商業簿記・会計学あわせて1時間30分と時間的制約が変わらず、試験範囲は日々広がり続けていきます。この環境下の中で合格点をとるには、毎日継続して学ぶことが必要だと思います。


 工業簿記
日商簿記検定1級講座 工業簿記 講 師 菅原 洋介
解答〕 〔解説

【講評】
 検定試験お疲れさまでした。
 今回の工業簿記の問題は工程別組別総合原価計算より出題でした。出題の難易度としては高くなく、完答もしくはそれに近いレベルで解答出来たのではないでしょうか。
 逆に原価計算の問題は完答が難しく、バランスとして合格のためにはこちらで点数を稼ぎたかったかなと思います。

■出題の特徴
「問1」は仕掛品勘定の記入でしたが、計算自体は難しくないです…。が、しかし、記入方法に癖があります。解答欄を見たときに違和感を覚え’ちょっと待てよ’と一呼吸いれた方は気づけましたでしょうか。解説の方で確認しましょう。

「問2」は理論問題の穴埋めです。今後も出題されるでしょう。理論の上に計算がある訳で、普段からしっかり学んでいれば問題なしです。

「問3」「問4」最終製品まで計算しますが、問題文をしっかり読めば完答することは難しくないはずです。

■アドバイス
 この問題の難易度は高くありません。しかし、そう易々と満点を取らせるほど日商は甘くないという問題でした。個人的には、もう少し評価額の処理条件の提示が明確であればよかったなぁと思います。
 本来、非度外視法というのはどういう意味があってこの計算なのか、もう一度振り返って考えてみるのもよいでしょう。学んだ知識を、試験で、そして実務で活かすためにも考え判断する習慣を身につけましょう。


 原価計算
日商簿記検定1級講座 原価計算 講 師 松葉 崇史


解答〕 〔解説

【講評】
 検定試験お疲れ様でした。
 原価計算は、「長期意思決定の拡張投資」より出題です。基本的な内容を問う問題が中心でした。問7、問8は今までにない出題内容で、解答に迷った受験生もいたのではないでしょうか。この問は正答が難しいのではと思いましたが、もし仮に問7、問8の解答を誤ったとしても十分合格ラインに届いたと思います。

■出題の特徴
 今回の問題は、「従来どおり既存の設備で生産・販売していくときの利益額」を前提とし、「既存の設備の他に新規設備を導入することで増加する販売額・原価節約額」との比較を問う問題です。
 ここではタイムテーブルを確実に作成し、全体の流れを把握することが大切になってきます。

■アドバイス
 「長期意思決定が苦手」と感じている受験生もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは計算結果を追い求めるあまり、本質の部分である理論、考え方が抜けてしまっているからです。もう一度意思決定で重要な特殊原価概念を押さえ、しっかり考え方を学んでいただきたいと思います。
 理論を押さえることにより、理解が深まりだんだんと楽しくなってきます。楽しく勉強することが合格への近道となるのです。


 

2級

日商簿記検定2級講座 講 師 加藤 大吾


〔解答: 商業簿記(第1問〜第3問)工業簿記(第4問〜第5問)
〔解説: 商業簿記(第1問〜第3問)工業簿記(第4問〜第5問)

【講評】
受験生の皆様、本試験お疲れ様でした。
今回の出題レベルは、全体的に平均的なものでした。

■出題の特徴
〔第1問〕
 仕訳問題は、1の吸収合併の問題と3の保証債務に関する問題が少し難しいものでしたが、それ以外は過去に出題されている問題であり、得点して欲しい問題です。

〔第2問〕
 特殊仕訳帳と普通仕訳帳をもとに月末の残高試算表を作成する問題です。第127回で類題が出題されており、過去問を通じて対策していれば高得点が期待できます。ただ、集計する上で二重仕訳には注意が必要です。

〔第3問〕
 損益計算書を作成する問題です。こちらも過去に類題が出題されており、財務諸表の表示をきちんと理解していれば解答可能な問題であったと思います。

〔第4問〕
 部門別計算に関する問題です。製造間接費の差異分析と仕訳も問うていますが、仕訳が与えらていますので、完答したい問題です。

〔第5問〕
 組別総合原価計算に関する問題です。組共通費の配賦計算を理解しているかどうか、また減損についての負担関係を理解しているかどうかがポイントです。

■合格点をとるポイント
 今回の本試験で合格点を得るためには、第1問で12点以上、第2問で14点以上、第3問で14点以上、第4問で16点以上、第5問で14点以上を取る必要があると思います。

■アドバイス
 商業簿記については、最近の傾向として「過去問に類似した出題傾向」と「過去問には見られない新しい傾向」の両方の傾向が見られますので、単に暗記するような勉強ではなく、「なぜ、こうなるのか?」と常に念頭に置きながら、理解を中心にするような勉強が必要になると思われます。
 工業簿記については、過去問題を中心に幅広く対策する必要があるとともに、直接原価計算・CVP分析などが最近出題がされていないので、次回当たりに十分に対策する必要があると思われます。

 

3級

日商簿記検定3級講座 講 師 千葉 光洋


解答〕 〔解説

【講評】
 受験生の皆様、お疲れ様でした。
 今回の出題のレベルとしては、平均的なレベルの出題でした。

■出題の特徴
〔第1問〕
 仕訳問題は、どれも過去に出題されている問題ですので、きちんと学習していた方は満点も十分可能でした。

〔第2問〕
 利息に関する一連の流れを勘定記入を通じて問う問題でした。指定箇所をいきなり解答するのではなく、それぞれの日付における仕訳をイメージすることが重要です。

〔第3問〕
 月末数日間の取引を集計して合計残高試算表及び掛代金の明細表を作成する問題です。こちらも過去に何度か出題されている問題です。集計に時間がかかりがちなので、スピードの向上が必要となります。

〔第4問〕
 3伝票制における一部現金取引を問う問題です。こちらも過去に何度も出題されている問題であり、得点して欲しい問題です。

〔第5問〕
 精算表の作成に関する問題です。こちらも過去の問題とほぼ同様の内容であり、過去問をきちんとこなしていれば高得点を狙える問題です。

■各設問の合格点の目安と合格率
 今回の本試験で合格点を得るためには、第1問で16点以上、第2問で6点以上、第3問で21点以上、第4問で6点以上、第5問で21点以上取る必要があると思います。

■アドバイス
 以前から言われていることですが、過去問題をきちんとこなすことは重要です。しかし、単に問題が解ければよいと言うのではなく、問題で問うていることの内容をきちんと把握することとセットで学習することが重要です。
特に上位級の学習をする方は、問題の本質を押さえる学習を心がけて下さい。

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