財 務 会 計 論

主任講師:加藤 大吾  主任講師:永田 武士

本試験講評

 受験生の皆さんは本試験おつかれさまでした。
 財務会計論は例年どおり32問出題され、計算問題が23問、理論問題が9問という構成となりました。また、前回と比較して計算問題の比率が高くなりました。

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 財務会計論・計算問題に関しては、従来どおりの短答形式の問題(10問)に加えて、問題19以降、総合問題形式の出題が個別の総合問題(7問)と連結の総合問題(6問)の2本立てとなりました。連結の総合問題を除いて基本的なレベルの出題が多く見られ、解きやすい問題が多かったと思います。
 個別に見ていきますと、以下のような特徴が挙げられます。

1.過去の試験問題の傾向を踏襲して、問題の出題量を減らす問題が増えていると同時に、基本的な事項を問うている問題が多く見られます。また、問題6(社債)、問題7(分配可能額)、問題11(新株予約権)、問題13(リース)、問題19(商品)は短時間で解答可能な問題です。このような基本的な問題を必ず得点するようにする必要がありますので、問題を見極めが非常に重要です。

2.問題2(包括利益等)や問題8(割賦販売・利息区分)などに見られるようにIFRSを意識した出題が計算・理論ともに出題が多くあります。今後もこのような傾向が続くと思われますので、注意が必要です。

3.問題19〜25の個別の総合問題に関して、平成20年、平成21年に続き出題量やレベルもほぼ同程度の出題ですので、このような出題形式に十分に慣れておくことが必要です。また、簡単に解けると感じた問題ほど、ダミーの選択肢が用意されていると思って、一旦解いた後に職業専門家としての適切な懐疑心をもって見直しを行うことが必要です。

4.問題26〜32の連結の総合問題に関して、非常に難易度が高い問題が出題されました。ただし、問題27(持分変動差額)、問題28(株式売却損益)及び問題32(少数株主持分)については問題文をよく読めば、選択肢より感覚で解答できる可能性があります。ただし、残りの試験時間との兼ね合いもありますので、他の問題の見直しの時間とするのも戦略だと思います。

 今後の計算問題の対策としては、普段から仕訳や計算方法を暗記してしまうのではなく、あるべき結論(仕訳を行った結果)の本質を理解していれば、どのような出題がなされたとしても、対応できる能力は身につくものであり、公認会計士の資質を確認する上でも、合格後に実務上も必要な能力であります。当校においても、暗記に頼らずに考え方の本質を押さえるという従来からの指導方針どおりであり、闇雲に問題演習や解説に記述されている解き方だけを覚えたりするような誤った勉強方法をしている受験生も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

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 財務会計論・理論問題に関しては、平成21年度短答式試験と同様、全体的に解きやすいと感じた受験生が多かったのではないでしょうか。具体的な問題構成は以下のとおりとなります。

@会計基準等をおさえていれば、比較的容易に解答できる問題(7問)
 問題1・問題4・問題9・問題10・問題12・問題17・問題18

A適用指針等に規定されている非常に細かい取扱いにまで踏み込んだ問題(1問)
 問題26

B通常、受験生が時間をかけないような細かな規定にまで踏み込んだ問題(1問)
 問題3

 上記のように@からの出題が多いため、会計基準等をしっかりおさえていれば解答可能な問題がほとんどであることが分かります。さらに問題26以外はすべて組み合わせ問題であるため、すべての肢の判別ができなくても効率的に解答を導き出すことができます。
 本校の受講生に関しては、@はもちろんのこと、AやBのような問題への対策も短答対策講義や配布問題集、模擬試験等を通じて十分に対策をとっていたため、ほぼ完答可能であったはずです。
 具体的には、問題1、問題9、問題10、問題12、問題17、問題18についてはいずれも基本問題であるので、1問たりとも絶対に落としてはなりません。
 問題3については平成21年改正会社計算規則の規定をおさえていれば解答できますが、ここまでおさえている受験生はほとんどいないと思います。できなくても合否に影響はないでしょう。
 問題4については出題の意図に若干疑問符が残りますが、エとオの肢の正誤を判別できれば解答可能な問題です。ただし、本試験という極度の緊張状態の中でエとオの肢の正誤を冷静に判断することはなかなか難しいので、落としてもさほど気にする必要はありません。
 問題26はすべての肢が適用指針からの出題であり、しかも1肢選択であるため、できなくても合否に影響はないでしょう。

 近年の短答式試験において、財務会計論の理論問題については会計基準等の基本的な知識を問う問題が多く出題される傾向にあります。
 普段学習する過程でただ闇雲に基準等の読み込みを行ったり、問題集をたくさん解いたりするのではなく、「どうしてこのような会計処理が行われるのか」という背後にある考え方を常に意識しておくことが、短答式試験ないしは論文式試験を突破するにあたって非常に重要となります。
 思うように点数が伸びなかった方は、今までの学習方法を見直し、改善するように心がけて下さい。

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 財務会計論200点満点中、合格のために必要な得点は136点程度(得点率68%)と考えます。

解答・解 説 -


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