所 得 税 法

主任講師:清水 敏夫

本試験講評
 受験生の皆さん、大変お疲れ様でした。
 今年の所得税の本試験は、最近の本試験に比べると問題量が少なく、難易度についてもある程度解答しやすい問題であったと思います。受験生にとっても、例年にように本試験を終えた後に解ききれず、出来なかったという感想よりも、ある程度解答できたという感想を持てた方が多かったのではないかと思います。
 今回の本試験では、計算問題がある程度解答しやすい問題であったため、計算問題では、正確に解答し、理論問題では、落ち着いて解答すべき項目をしっかりと挙げて、その内容について確実に解答できたかどうかが合格のポイントであると思います。
 具体的に解答のポイント及び合格ラインを確認してみると次のとおりです。

1.第一問(理論)
 問1と問2の配点の内訳は付されていませんが、解答用紙が問1と問2に区分されており、問1が3枚、問2が2枚であったため配点として問1が30点、問2が20点と予想されます。

問1(ボーダーライン22点)
 居住者が支出した寄附金のケースごとの取扱いを問う問題である。解答に当たっては、ケースごとに取扱い及びその根拠規定を解答する必要があります。
 この問題については、ある程度解答しやすい問題であったため、ケースごとに取扱いを確実に解答した上で、その根拠規定を正確に解答できたかどうかが解答のポイントだと思います。

問2(ボーダーライン14点)
 居住者が非居住者に対して国内源泉所得に該当する不動産の貸付けの対価及び不動産の譲渡対価を支払う場合の源泉徴収の取扱いを問う問題でした。
 この問題については、各専門学校のいわゆる理論集にない問題であったため、解答の仕方等に戸惑ってしまったかもしれませんが、他の源泉徴収の取扱いを参考にしながら、源泉徴収義務、源泉徴収税額、源泉徴収を要しない場合、納税地及び確定申告との関係を解答の柱として解答する必要があります。
 上記の点に注意し、項目をしっかりと挙げることと、その内容について、計算の知識を使いながら、正確に解答できたかどうかが解答のポイントだと思います。
 上記の点を考慮することにより、第一問の全体におけるボーダーラインは35点、確実ライン40点と予想します。

2.第二問(計算)
 計算問題は、まず、最近の試験問題と異なり、難易度はある程度解答しやすい問題であったと思います。出題形式についても、最近の総合問題+個別問題形式ではなく、3問の個別問題形式でした。
 出題された内容については、小田満試験委員対策をしていた項目を中心に基本的な項目が出題されていましたので、ある程度、確実に解答できることが必要とされる思います。
 また、問1と問3は、上場株式等の配当等及び譲渡所得等について、課税方法を有利・不利の判定をさせる問題でしたが、個別問題であったため、全体を考慮した上で、正確な判断が必要とされる思います。
 よって、今回の計算問題については、解答する量も少なかったため、本試験の2時間の緊張した中でも落ち着いて各項目の正確な解答及び有利・不利の判定について正確に解答できたかどうかが解答のポイントだと思います。
 少しのケアレスミス等を考慮した上で、第二問の全体におけるボーダーラインは36点、確実ラインは41点と予想します。

3.全体
 第一問と第二問の合計でのボーダーラインは70点(確実ラインは80点)と予想します。

4.今後について
 今回の試験は、小田満試験委員の一年目の試験でしたが、ある程度予想された項目で、基本的な点を中心の問題でした。
 このように基本的な問題であっても、本試験の二時間の限られた時間の中で正確に解答できるようにするには、やはり、基本的な計算方法をしっかりと理解し、知識として身に付けることだと思います。
 また、今回のように個別問題による出題では形式や対象となる個人の取扱いを角度を換えて問うことができ、問われ方が変わると通常の時は解答できる項目も間違えてしまうこともありますが、これも、基本的な計算方法をしっかり身に付いていれば正確に解答できる思います。
 その他、理論問題については、問2の問題が理論集にない問題が出題されましたが、基本的な計算方法をしっかりと理解していれば十分に解答が出来た問題であったと思います。
 よって、これからの学習方法としては、いつも変わらないテーマでもありますが、基本的な計算方法について、しっかりと理解した上で知識を身に付けられるようにすることと、その計算方法を自分の言葉で具体的に、また、抽象的に表現できる力を身につけることが大事になると思います。

 学習に当たっては、色々な問題を解くことにより、知識を安定させることもできますが、一つ一つの計算方法等について、その規定が設けられた趣旨や、具体的に適用される場合の注意点等を考えながら理解することと、また、反復演習によりその基本的な計算方法をしっかりと使いこなせようにすることを心がけて学習していくことが必要であると思います。

 以上で、今年の試験の講評になります。上記を参考にして、今年の本試験を振り返ってみてください。
 受験生の皆さん、一年間本当にご苦労様でした。


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※ 掲載内容は、専門学校 東京CPA会計学院・CPA税理士ゼミナールが独自に作成したものであり、実際の解答との適合を保証致しかねます。また、掲載内容は平成22年8月6日現在のものであり、今後予告なく変更を行う場合もございます。なお、掲載内容を利用したことによりいかなる損害が生じたとしても、当校は一切補償を行いません。以上の事項を予めご承認の上、ご利用下さい。